指がいたい
指が痛む原因とは?
突き指
「突き指」は、指の痛みとしてよくある症状です。
ご存じの通り、ボールや物で指を突いたときに痛みを感じる外傷で、症状としては指の腫れや痛み、動かしにくさなどを感じます。
突き指自体は正式な診断名ではなく、指を長軸方向についたときに起こる外傷の総称です。指の第1関節や第2関節、骨などに損傷がおこるものを総じてよんでいるものです。
そのため、突き指の中には骨折や脱臼、靱帯の損傷など重症のものが含まれています。
突き指だから大丈夫、ではなく、突き指をしたときには経過を慎重に見る必要があります。
引っ張れば大丈夫という俗説もありますが、全くの嘘です。長期にわたって張れや痛みが続く場合や明らかに変形している場合は病院を受診しましょう。
骨折
骨折は強い力が骨にかかったときに起こります。病気によって骨がもろくなって少しの力で骨折してしまう事も他の骨では起こりえますが、指の骨では非常にまれです。
そのため、怪我をしたそのときから痛みを感じ、動かすたびに痛みを感じます。
骨折を疑う場合は、骨折した骨を挟み込むように箸などで固定し、病院を受診します。
痛みに対しては抗炎症作用のある痛み止めが効果があります。後述のNSAIDsと呼ばれる種類の痛み止めが効きますが、根本的な治療にはなりませんからすぐに病院を受診しましょう。
脱臼
指の関節も脱臼することがあります。特に一度脱臼した人は繰り返すことがあります。
関節の部分で通常ではない方向に指が曲がっている場合は脱臼を疑います。
しかし、明らかに関節の部分だと思われる場所で変形していても、骨折が合併している場合もあり、初回の場合はかならず病院を受診してから整復(ずれた骨を正常な位置に戻す処置のこと)してもらうようにしましょう。整復すれば痛みは比較的簡単に引きます。
腱鞘炎
腱鞘炎は多くの場合、指の付け根にじんじんとした痛みが出ます。
キーボード操作をしたり、指先を使う仕事をしたりしている人に多く診られますが、近年ではスマホをよく利用する場合に発症する人が増えています。動かすと痛みが強くなるのが特徴です。繰り返しの運動によって腱が摩耗し、腱が炎症を起こすのが原因です。
炎症ですから、その場所が痛むだけではなく腫れたり熱感をもったりする事もあります。
治療は基本的には安静ですが、痛みが我慢できない場合は抗炎症作用を持つNSAIDsがよく効きます。
爪周囲炎
爪の周囲に起こる感染症です。爪が伸びるときに皮膚に傷をつけ、そこから細菌が入り込むことで炎症が起こります。
爪の周りがズキズキ、チクチクと痛むことが特徴です。
発赤や腫脹を認める場合があります。鎮痛薬を使用すると一過性に痛みは引きますが、感染は持続していますから根本的な治療とはなりません。病院を受診し、切開する必要があったり、抗菌薬を内服する必要があったりするため、早めに専門医を受診しましょう。
関節リウマチ
関節リウマチは、免疫が異常を起こし、自分自身の体を攻撃してしまう自己免疫疾患の一種です。
関節に特異的に攻撃をし、破壊してしまうのが関節リウマチです。多くの場合、更年期ごろの女性に発症します。
主な症状は、関節の痛み、腫れ、朝のこわばりなどです。関節は全身どこでも症状が出ることがありますが、指の第1関節だけは例外で、ほとんど症状が出ることはありません。
免疫反応による炎症が起こりますから、発熱や倦怠感、食欲低下などの症状を認めることも多くあります。
治療はNSAIDsの他、免疫抑制薬やステロイド剤などが使用されます。
早めに治療を開始しないと不可逆的な変形を来しますから、先ずは受診をしましょう。
神経障害(主に糖尿病性神経障害)
糖尿病などで細い血管の血流が悪くなった場合、神経の先端から神経がダメージを受けてきます。
このときに神経が傷害された症状として痛みを感じてきます。
神経の中でも長い足の指先や手の指先から症状が起こり始めることがほとんどです。
このときの痛みはジンジン、ビリビリといった表現がされる痛みで、神経障害性疼痛と呼ばれます。
一般的な鎮痛薬では対処が困難で、専門的な治療が必要となります。
市販薬で対応していい痛みとおすすめの市販薬
指の痛みのうち、明らかに打撲した場合や、指や手を使いすぎたなど、手に負担がかかるような事があった場合は、先ずは市販の鎮痛薬で対応してかまわないでしょう。
特に腫れている、発赤がある、熱感があるといった場合には、その場所で炎症が起こっている反応によります。
そのため、炎症を抑える作用のある薬剤は非常に効果があります。